【教科書改訂】中学英語がまずいことに


 ご無沙汰しております。段塚です。

 遅くなったけれど、中3生全員合格おめでとう!

 この度進学校に合格できた生徒の中には、入会時は500点満点中200点台しか取れないような生徒が5名くらいいたけれど、全員合格するとは素直に驚いたよ。その5名の中にはトップクラスへ入学した生徒もいた。

 また、この度の鳥取県全体での最高点とほぼ同点を取った生徒もいた。

 本当に皆のことが誇らしいです。



 さて、君たちは良い時代だったぜ……。
 実は今年から中学の教科書が改訂されてね、英語が特にひどいことになっているんだぜ……。

 具体的には

 ①be動詞と一般動詞が最初っから混ざって登場する。
 ②複数形は小学校で習ったことにされている。
 ③in,atなどの前置詞を含む大量の英単語が小学校で習ったことにされている。
 ④中1の1学期の内容に助動詞(can)の文も登場

 とにかく、「習ったことにされている文法や単語が多すぎる」。

 ①~④まで、どの小学校出身の生徒に尋ねても、誰一人、何も習っちゃいない。

 文法も一切習っていないので、I am play tennis. という具合に動詞が二個あるような文章を皆が平気で書く。

 というか、そんな面白文章でも書けるならまだマシで、A~Zのアルファベットも書けない高学年の子がおよそ半数いる状態だ。

 おそらく鳥取の小学校だけの問題じゃあないだろう。全国の小学校において、文法も単語もまともに教えていないのに、やったことにされている。
 
 だから僕たち塾講師は新教科書で指導する前に、まずはbe動詞を教え、一般動詞を教え、その否定文や疑問文の作り方を区別して教えるところから始めないといけない。

 これ、塾に通ってない子はどうするんだ?

 いや、英語塾に通っていても、「英単語でカルタ!」みたいなお遊びしかしていない塾ではどうしようもない。


 なぜ文科省がこんな雑なカリキュラムを押し通したのか分からない。

 今の乱暴な教科書を使うとなれば『英語塾に通えるお金持ちしか英語の点は取れません状態』になるぜ。というか、もうなってるぜ。

 数年前、「英語のセンター試験を廃止して、英検やTOEICの点数で大学入試の合否を判定する」という案があって、何度も英検を受験できる富裕層が有利なその制度に批判の声が集まって取りやめになったことがあったが、それよりももっと質の悪い事態になっている。

 解決方法は二つしかない。

 一つは、小学校でまともな英語の授業をすること。

 もう一つは、中学の教科書を旧教科書の内容に戻すこと。


 文科省は以前から、入試の内容や教科書内容を難しくすれば勝手に子供たちがそれに順応して賢くなる、という誤解をしている。

 一部の県の高校入試においては、その文科省の方針に賛同して、入試問題を全科目、全記述問題に変更した。

 難問だらけのその入試問題に対応すべく頑張っているのは主に塾や教材会社である。

 このままでは塾に通える子とそうでない子の間で二極化が進み続ける。

 我々のような学習塾経営者にとって塾の需要が高まることは歓迎すべきことなのかもしれないが、私はこれらに反対の立場だ。

 成績が伸びもしないのに高額の授業料を取る怪しい塾がつぶれもせずに乱立しているこの状況を作っているのは、不完全な学校教育に対する保護者の不安が需要に代わるからだ。

 ただ、学校教育が不完全である理由は、学校の教師に問題があるからではない。

 体制が整っていないのに次々と新しい制度が導入されることが問題なのだ。

 ただでさえ超ブラックな環境で働かされている今の教師たちにより大きな負担を求める前に、教員の増員や待遇の改善をするべきだろう。

 ちゃんと人員補充をしたうえで、各小学校においてまともな英語の授業を行っているかをチェックする制度も必要だ。


 最後に、繰り返しになるが、入試問題や教科書を難しくすれば、それだけで子供たちが賢くなるわけではない。